2000.09.16(番外編)

ハチの巣から学んだこと2000.6.8の余談)

  この13日前後に中部・東海地方は豪雨に見舞われた。被害に遭われた方々には、心からおくやみ申し上げます。知り合いも、ちょうど乗り合わせた新幹線で長時間カンズメになったし、ほかの知り合いは、家屋の浸水やら何やらで、仕事のキャンセルをかなりせざるを得なかった状態だったらしい。

  そんなニュースや知人のことを耳にして、あることを思い出した。それは今年の6月8日にクルマを頂戴に岐阜へ行ったときのデキゴトである。いただいたクルマは、約2年間草むらというか空き地というかひろっぱというか・・・とにかく。畑のど真ん中にある通称ヤードに放置しっぱなしだった物件である。ガソリンとバッテリーコードなどを持参して置き場に行き、クルマとご対面。作業を開始してしばらくは気が付かなかったのだが、妙な気配を感じてそちらのほうを見たらオドロイタ! 小さいが立派な蜂の巣がクルマにくっついているのだ。しかも、その場所たるやセンターピラーのドアストライカーの部分。つまりドアを閉めたときにできる、ドアパネルとセンターピラーの空間にうまいこと巣を作っているのである。ハチの種類は、正しい名前は知らないが、子供の頃から「アシナガ」と呼んでいる、ごく一般的に見られるアレである。

 「ハチの巣ぐらいで驚くな。ワシらのような置き場にクルマを置いていたらしょちゅうじゃ」とクルマの管理人であるショップの主は言う。確かにそうかもしれない。畑のなかに置いてある以上、ハチはもちろんネコが子供を生んでも不思議はないし、ヘビが巣くっていても、ま、それが大自然というものだ。が。事態は、それだけではなかった。ガソリンを入れようと思ってフーエルキャップカバー(つまりボディのフタね)を開けたら、そこにも同じハチの巣があった。さらにバッテリーをジャンプさせようとボンネットを開けたら、そこにもハチの巣(しかもご丁寧にバッテリーケースのすぐ脇だ)!

 どれもこれも、ハチの巣はクルマの構造を巧みに利用して、外界とは接触しにくい場所に作ってあることが不思議に一致している。それを見てショップの主は一言 
「こんなカゲになる場所にばっかり(巣を)作るということは、こりゃ今年は天変地異があるぞ。大雨が降るとか、大風が吹くとか・・・」

 14日になって、そのショップに電話をしてみたところ、豪雨や浸水の被害はなかったそうである。ただし、近隣や近県のお客さんのクルマは、場合によっては屋根まで水に浸かってしまったそうだ。ま、例のハチたちは、6月の段階で”巣を取り払う”という人災には遭っているのだが・・・
 
余談だが、わが家の出窓の桟にもアシナガの巣が以前からできている。ここは、陽も当たるし、雨風も直撃する。どういうふうに理解すればよいのだろう?

 


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