2000.5.30 (44780km)

ブレーキパッド交換、ラジエターエア抜きバルブ修理、ブレーキランプスイッチ調整

 まず初めにブレーキパッドの交換。パッドについては、ZXはパッド残量の警告ランプがインパネに表示されるようになっている。周囲に破線があるマルがパッドの残量が少なくなったら着く・・・はずなのだが、マイZXでは着かなかった。理由は、タイヤを外してキャリパー周辺を観察して発見したセンサー用ハーネスの断線。じゃ、なんでパッドが減っているのが発見できたかというと、まずブレーキオイルがかなり減っていたこと、次にコーナリング時にキャリパーから摺動音が出ること、そして、ブレーキング時にゴーという鈍い金属音が発生することだ。各項目の理由を簡単に書いておくと、オイルの減りは、パッドが減ってキャリパーのピストンが出たぶんオイルはそこに溜まっていることになるわけで、エンジンルームのオイルリザーバーは見かけ上減った状態になる。摺動音は、パッドが減ってくると、質量も減るからキャリパー内での落ちつきが悪くなりディスクに当たって音が出る。ゴーという音は、もうこれはパッドの末期状態ということなのだが、パッドではなくてキャリパーのどこかがディスクに当たってしまっているということなのだ。もちろん、最後に頼りになるのは、タイヤを外してキャリパーとパッドを直接チェックすること。
 

 ZXには、ガーリングとベンディックスのキャリパー、どちらかが装着されているらしいがマイZXの場合は、ガーリングだった、マニュアルによれば、ベンディックスはパッド装着時に向きが決まっているらしいが、ガーリングは特に向きや方向は関係なくパッドを装着できるようだ。パッドの交換、装着の手順については、フツーのシングルピストンキャリパーであって、フツーのクルマとさほど変わらない。もし、詳しく知りたいならば、こちらへ。ただし、私の場合は、パッドは例によって畑から調達してきたものである。さらに、パッド交換と同時に「1人でできる」ブレーキオイル交換器を使って、ブレーキオイルを新しくした。リヤ・フロントともに5回ほどペダルを踏んで排出したところでオイルは新品と同様のクリヤーな色になった。レーキオイルはだいぶ以前に購入し未開封だったトヨタ純正のDOT3を使う。ブレーキホース&パイプ汚れはそれほどではなかったようだ。汚れはそれほどではなかったようだ。ペダルの踏みしろと剛性は、少し向上。しかし、マスターは抜け初めているようでカチッとしたペダルの剛性感には、いまひとつ足りない感触である。
 

 続いては、ラジエターのエア抜きバルブの交換。実を言うと、27日に間違ってインジェクターヒーター用のホースに通じるエア抜きバルブを折ってしまっていたのである。正確にはもいでしまったと言う。ZXに限らず、BX、AXに乗るオーナーには、このバルブが折れてしまうのは、つとに知られた話しである。場合によっては、車検や整備時に、ディーラーが対策パーツに無償交換していたというウワサもあるほどだ。なにしろ、バルブに使われているのは、見た目にもショボいプラスチックのネジなのだから。何でプラスチック?と思われる向きもいるだろうが、コレはこれで正しい。ホースとつ繋がるパイプは鉄。ここに同じ鉄のネジを使ったら冷却水の熱と水分によってたちまちサビて固着してしまう。だから、プラスチックは、ある意味正しいのだけれど、熱変形で固着してしまうから同じ結果だとは思うが。フランス人のプラスチック好きの弊害と言うべきか。
 

 さて、もげたエア抜きバルブは、そのネジ部がしっかりパイプ内に残ってしまった。細いドライバーでかき出したり、エキストラクターを使っても抜けてくる様子はなし。で、仕方なく対策だけはこうじて置いた。この話しをキャロルのドクターアラ〜イにしたら、そのパイプは単にヘッドに差し込んであるだけで、プライヤーで引き抜けるという。それを聞いて、例によって、畑からパイプだけ拝借、しかもディーラー対策のネジが使ってある。交換は、パイプを引き抜いて、新しいの(と言っても中古だが)を差し込んで終了。ついでに、倉庫から出てきたウインズのラジエター漏れ止め剤(ストップリーク)を投入した。化粧品としても使われているホホバオイルを成分とした、植物系ケミカルである。もちろん、地球環境を重視するアメリカの製品。ウインズのラインアップはここでも見ることができる。
 

 冷却水を足して、エア抜きを終えクルマを別の場所に移動したとき、ブレーキランプが点灯したままであることを発見した。何じゃぁ?である。考えられる原因は、第一にペダルのところに付けられているブレーキランプ点灯用のスイッチの不良。たいていのスイッチは、ブレーキペダルのステーによってスイッチのオン・オフを管理している。付いている位置はステーの上側のあたり。ブレーキを踏まない、ステーが上がっているときはスイッチに触れていて(押す)、ブレーキングでステーが下がってスイッチに触れなくなると(押さない)ランプに電流が流れる仕組み。まずスイッチの不良を疑って、スイッチ本体を取り外してみる。スイッチ本体はネジなどで固定されておらず、本体の外側のジャバラ形状、取り付け側のナイロンブッシュの弾力性、その2つで噛み合うようにして固定されている。位置はジャバラの差し込み加減で調整できるわけだ。外して、手でスイッチの先端を押してオン・オフをテストしてみたらちゃんとランプの点灯は反応する。そこでよくよく見たら、ステーに付けられているスイッチを押すためのプレートが、少し位置がズレていて、スイッチそのものと接触していないことが判明した。スイッチを押していないのだから、付きっぱなしでアタリマエだ。どうも原因は、ブレーキのパッド交換とエア抜きのために何度もペダルを強く踏みつけたため、そして、もともとステーのスイッチを押す部分の造りがチャチだったためのようだ。
 最後に、昨日購入した電撃丸をバッテリーに投入してみる。


畑から調達してきた中古パッド。残量は8割程度といったところだろうか。プリントを見る限りではシトロエン純正のようだ。表面はディスクともどもサビていたので、サンダーで軽くサビ落としをしたら、表面は新品程度に復活。大きなクラックなどもない。

パッドが限界以上に磨耗していた弊害。ピストンもまた限界以上に押し出されていた。そのため、ダストブーツが延びきってピストンが露出してしまっている。ブーツをめくって確認したら、ホコリやダスト、水などの進入によるピストンの傷みはないようだった。

一応お約束のこんなに減っていました報告。限界表示のためのミゾはもちろん、下のパッドに至っては警告センサーのが差し込まれるミゾすら無くなっている。新車時から使ってきたとしたら、ブレーキの使い方の個人差にもよるだろうが、だいたい3万キロくらいが純正パッドの寿命というところなのだろうか。

左右とも断線していた警告センサー用ハーネスを引きなおしておいた。畑に積まれていたZXをチェックしてみたところ、ほとんどが同じようにコネクターの直前で断線。持病というか欠陥というか・・・

ラジエター水路のエア抜きバルブの応急処置。ホースはパイプから出ていたものを少し切って流用。ネジは工具箱の中にあった、ネジ山8ミリ系のものにコーキング用テフロンテープを巻いて差し込んでいる。とりあえず漏れは止まった。

左は畑から調達した対策済みボルトが入れられていたTジョイント。ネジの材質は真鍮で、中空構造。ネジ山の中間には穴が設けられていて、ネジを抜かなくても穴まで緩めればエア抜きができるようになっている。ネジはミリピッチで経は5ミリ。ホームセンターで調達可能のようだが、中空&穴あきネジは必ず置いてあるとは限らない。現在もディーラーなどで購入できるかどうかは不明だが、価格によっては自分で探し出すよりもリーズナブルかもしれない。

Tジョイントは差し込んであるだけなので、取り付け角度は自分の好きにできる。差し込んであっても、プライヤーでチョイと角度調整は可能だ。純正位置から右に約120度ほど回した位置に付けて、エア抜き時にプラグへ水がかぶってしまうのを防止するようにした。スリーブ(差し込み)部分には念のためコーキングテープを巻いておくことにした。

外したブレーキランプ用スイッチジャバラの部分でボディ側に差し込まれていて、手で簡単に抜き差しと位置調整ができる。右下の乳首部分がオン・オフスイッチの突起だ。

バラすとこんな状態。指で押してスイッチがオフ位置にしている。スプリングで浮動しているブリッジ端子を、スイッチを押すと分離してオフ、押さずにいるとスプリングに押されて下の部分で引っかかって通電するからオン。そんな構造。

見えにくいが赤い矢印の部分がブレーキペダルとスイッチが接触する部分穴の1/3ほどしかかかっておらず、まったくスイッチとは接触していなかった。


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