2000.11.18(57300km)

ヘッドライトを洗う

  マイZXのヘッドライトは、かなり暗い。バルブはH1の55Wを、ロービーム、ハイビームともそれぞれ使っているので、H4よりはやや不利だとしても、やはり暗い。感じとしては、安物で照射範囲がいいかげんなフォグランプ程度しか路面を照らしてくれない。原因はハッキリしている。ヘッドライトユニットの内側、つまりレンズ(ガラス)と反射板が汚れているからだ。防水コーキングが不良で雨水が大量に入ってしまう、というわけでもない。しかし、大雨のときなど注意して見ると、うっすらとレンズ内に曇りが出ていたりすることもある。因子は、バルブ取り付け部分のシーリングがイマイチなのだろう。

  シーリングに対処したところで、汚れや曇りは消去できるわけではないから、意を決してレンズユニットを外して中を清掃することにした。取り外したレンズユニットの清掃は、ZXだからといって特別なことはない。あえて取り上げるとすれば、H1バルブがゆえのお椀型の遮光板がロービーム側に付いているため、カンタンに直接レンズ表面を拭けないことぐらいか。清掃したレンズは、ピカピカ。XMのようにバルブとレンズの中間にアクリルの偏光板(バルブの熱で焼けて、透過性が落ちてしまう。ただしXMの場合はレンズとユニットボディがクリップ留めなので、分解して洗うことが可能だ)あるわけでもなく、洗ったら洗ったぶんだけちゃんとオリジナルどおりの光量で路面を照らしてくれる。反射メッキ面も焼けやクスミ、メッキハガレは起こっていなかった。

  清掃についてちょっと補足しておくと、洗剤には「クイックブライト」というスライムみたいな輸入洗剤を希釈して使った。よくTV通販などで紹介している、ピンク色でジュースやインクのシミまでワンタッチでキレイに取ってしまう、というやつである。レンズ全体を直接ふき取れないから、クイックブライトの持つ漂白力でヘルプしようというわけである。それと、道具としては、100円ショップなどで売っている針金でできたコップ洗い用の毛虫のようなブラシ、ペーパータオルくらいである。ペーパータオルは、丸めてレンズユニット内に放り込みマラカスのようにユニットを振って、中に残っている水分を除去するのが目的だ。2〜3回繰り返すとけっこう水分が取り除ける。晴れた日中なら、1時間も日向にほしておけばレンズ内の水分は飛んでしまう。

  さて、洗ってみて再装着した感想は・・・ズバリ、大枚はたいて100W相当のハイパワーバルブを使うよりもはるかに清掃は効果がある。


ヘッドライトを脱着するときは、バンパーにウエスを敷いて作業したい。力任せに手前に引き出すので、ガードしておかないと、まず間違いなくバンパーにキズを作ってしまう。


グリルを3カ所のトルックスネジを抜いて取り外し、次にウインカーレンズを外す。レンズはフェンダー内にスプリングで引っかけて固定してあるだけだ。

ヘッドライトユニットは3カ所でスナップ留めされている。右も左も、フェンダー側の1カ所だけが、クリップを差し込んで固定されている。ペンチで上に引き上げればクリップは抜ける。その後、ユニットを手前に手で引いてスナップから抜き取る。フェンダー側、グリル側の2段階で作業すると抜き取りやすい。ただし、あまり左右に角度を付けたりこじったりすると、スナップの台座を破壊してしまうから注意したい。

バルブの台座はトルックスT10の2本でカバー、ワッシャととも締めになっている。このネジは、真ん中にヘソが付いているタイプだ。ロービーム、ハイビームとも同じパーツで、ユニット側のネジ位置によって使い分けできるようになっていた。ちなみに、2カ所のネジ穴の1コは楕円になっていてバルブの角度調整ができるようになっている。左上がりの角度を変化できるわけだ。

清掃したらこんなに汚れが溜まっていましたぁ! の図。クイックブライトは約10倍に希釈して使った。リンスを繰り返すことで、乾燥後のウオータースポットの発生はなかったようだ。

清掃後のレンズ。

さて、うんちく。3カ所あるスナップは、それぞれに役目を持たされている。赤い矢印のものは光軸の上下調整用、緑色の矢印は左右調整用。どちらも上部からヘキサゴンレンチによって調整できる機構付き。車検のときなどは、そこで調整。黄色の矢印はヘッドライトユニットの基盤となる部分。先の2つの調整部だけでは光軸調整に限界が生じた場合などは、ここで基礎から調整範囲をつくることができる。このネジは8ミリのスパナで回す。試しにヘッドライト取り付け後もできるかどうか挑戦したら、サイドウインカーを外せば手が入った。 


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