2000.10.31 (55000km)

エアクリーナーの交換とミラー、バンパーの塗装(ちょっと長文)

 購入以来、気にはなっていたけど無交換のままでいたエアクリーナーを新品に交換した。気にしていた割に交換が遅くなったのは、入荷がグンと延びてしまったからだ。たぶん、エアクリーナ単品であったならば、もう少し早く入荷したのだろうけど、注文時にタッチアップペイントも同時に頼んでしまったのが、原因というか敗因。注文したのは、7月の初め頃。新西武自動車の目白通りの工場店頭で、それら2品を頼んだ翌日「タッチアップペイントはメーカー在庫切れで、取り寄せになります。時間がかかりますけどいいですか?」とのこと。この場合のメーカー在庫切れとは、国内のストックはないが、本国にはあるので送品してもらう、という意味だ。もちろん、たった1コのパーツだけでメーカーが動くはずはなく、ほかのモノといっしょにコンテナかなんかの定期便で日本にやってくる。だから、かなり時間がかかると覚悟は必要だ。で、ま、覚悟を決めた。そのとき、エアクリーナーとタッチアップペイントと同じときに取りに行く、と返事してしまったので、結局こんなに遅れたわけ(エアクリーナーだけ先でもよかったのだろうけど)。

 さて、エアクリーナーだが、箱書きを見ると、シトロエンではZX1.6だけが該当車種としてたった1行のみ記載されている。BX1.6も同じグループのプジョー306も何にもなし。どうやら、このエアクリーナーはZX1.6専用ということらしい。確かに、円筒形エアクリーナーの内側で吸気ダストをキャッチするタイプというのは、あまり見たことがない。この裏使いクリーナーはZX一代限りで終わってしまった、ということか・・・。交換そのものは、クリーナーボックスのロックピンを2個外し、サクションパイプのホースバンドを緩め、ボックスのフタと合体しているクリーナーを取り出して交換するだけ。マイナスドライバー1本で10分もあれば終了する作業だ。交換後のインプレッションとしては、エンジンのフケが良くなった感じはする。が、劇的な変化というのは、あまり感じられない。エンジンも特に静かになったふうはない。しかし、新しいエアクリーナーは確実にエンジンにとってイイ結果をもたらしてくれるハズだ。
 
 もうひとつ、せっかく待ちに待ったタッチアップペイントが来たので、ボディ関係の塗装をすることにした。メニューは、バンパーのスリキズをちょいとタッチアップ、ブラックボディのままのドライバー側ドアミラーのカラーリング、リヤバンパーのハガレの補修、以上3つのプロジェクトになる。ミラーがブラックのままなのは、じつは購入以前に前の持ち主が、ミラーをぶつけてしまい手近にあった部品取りから交換したのだそうだ。それで、オリジナルではボディと同色に塗られているミラーが、ドライバー側だけクーペと同じ無塗装・ブラックになっていたのである。最後のバンパーは、ちょっとバック時に死角に入っていたガードレールと接触、後塗りしたであろう塗料が、ポロッと落下してしまった部分なのだ。

 さて、届いたタッチアップペイントは2本がワンセットになっていた。内訳は1本はボディと同色のシルバー、もう1本はメタリック塗装に合わせたクリヤーだ。最近の国産メーカー純正品やほかの輸入車のものは知らないが、少し前にトヨタのディーラーで購入した純正タッチアップペイントは、同じメタリック用でもカラーのみでクリヤーはいっしょじゃなかったと記憶する。だから、シトロエンのは”親切”と言える。金額的にも、カーショップで純正色とクリヤーを1本ずつ購入するより安い。”親切かつお得”。

 バンパーのスリキズは、タッチアップのハケでちょちょいと修正した。ミラーのほうは、マスキングしてシリコンオフ〜マスキング〜下地にホワイト塗装〜タッチアップペイントをホビー用スプレーで塗装〜同じ手法でクリヤー仕上げ、とやや本格的に攻めてみた。タッチアップペイントは純正とはいえ、実際のボディ色とはやや違う。どちらかというと銀色が強く、ボディの少しくすんだ色と差がある。まぁ、年数が経ってボディも灼けていることもあるだろうし、仕方ない。ホビー用スプレーは、グンゼ産業から出ている「プロスプレーマークII」というやつ。かれこれ20年以上前に確か「レベル・プロスプレー」という名前で同じグンゼ産業が出していたモノとほぼ同じ。一時期姿を消していたが、5年ほど前に東急ハンズで見つけた買ったもの。ちなみに。そのときはよりデラックスなバージョンもあった(何がデラックスだったかは覚えていない)。スプレーのリクツとしては、小型ガスボンベからエアを送って、キリフキの原理でビンの中の塗料を吸い上げてスプレーするというもの。スプレー範囲が狭く、広い範囲で塗装するとムラになる傾向はあるが、フデ塗りよりはずっとイイ。缶のボディ色スプレーが手に入らないときは重宝する。ガスは、汎用のものが買い足しで使える。とにかくタミヤのレボなどよりもイニシャルコストが低いのがメリットだ。

 リヤバンパーについては、とにかくポロッと剥がれた塗装の周辺をかきむしることから始めた。ホントは、バンパーの塗装は後日するつもりだったのだが、天気予報によれば、今日を逃すとしばらく秋雨前線が日本列島にのさばるらしい。そこで、意を決して、夕暮れギリギリまでかかりそうなことも知りながら、作業を敢行した。気温が10度前後から下がると、塗料の乾きが倍以上遅くなるから、あまり効率と仕上がりに期待が持てないのだ・・・。
 
 塗装のハガレをさらにかきむしったのは、このバンパーは、オリジナルで銀のモールを境に、上が素材のままのブラック、下がボディ同色のシルバーだったものを、上の部分に塗装を加えたものらしいのが原因。そのため、塗装とバンパーの密着がよくなく、いったんハガレだすとカサブタを剥がすごとく、次々塗装が浮いてハガレの範囲が拡大してしまうのだ。結局、最初にぶつけてハガレ落ちた1.5倍ほどの面積で、素材がむき出しになってしまった。作業手順は、#300番の耐水ペーパーでサンディング〜バンパーパテ盛り〜再びサンディング〜バンパープライマー〜下地のホワイト〜ボディ色をスプレー〜クリヤーという手順。ミラーのときになかったサンディングとパテを加えたのは、ハガレ部分の段差を消してしまうためだ。

 急いで作業したこともあって、仕上がりは超よくない。色ムラと下地の段、ボディ色との色違いがモロにわかる。不満と言えば不満だが、黒いハガレ跡が出たままよりはマシ! と納得することにした。最近、メーカー純正色の98%くらいをカバーする、調色してくれる特注ボディカラースプレーというのを売っている。ボディ色とタッチアップペイントとの色合わせのこともあるし、そのうち試してみようか。今回使った材料費は、ペイント以外はもともと手持ちだったものばかり。従って正確な金額は出てこない。悪しからず。そうそう、この一連の作業で使ったタッチアップペイントは1本、しかも少量残った。


エアクリーナー 2500円
タッチアップペイント 1000円×2

そのほか手持ちの材料
バンパーパテ
シリコンオフ
バンパープライマー
カースプレー(ホワイト、クリヤー、ぼかし剤)
マスキングテープ
ラッカーシンナー
#300、#1000の耐水ペーパー
コンパウンド(#2000相当)
など


クリーナーはボックスのフタと紙フィルターが合体したタイプ。フィルターは溶着してあるだけなので、ていねいに扱わないと、フタと離別してしまいそうだ。

交換のために外す必要があるのは、緑↑の部分(クリーナーボックスまわり、バキュームホース、バッテリーとサクションパイプの支持など)とクリーナーボックスの右側に位置するヒート用フラップの下にある、エキパイから熱気を導くダクト。

フタには、ボックスに差し込んでから少し回してロックするためのタブが3カ所ついている。これを知らずに、フタをまっすぐ引き出すと、破壊してしまうおそれがある。

一応お約束の「こんなに汚れていました」の図。外側は大したことはないようでも、内側は真っ黒だ。オイルや燃料の吹き返しによる油汚れはなかった。

純正タッチアップペンセット。クリヤーと塗料はほぼ同量入っている。容量は12ml。

ボディカラーのコードは、ストラットタワー上の黒字ペイント。このクルマの場合は「ETBBR」というのがそれ。ペイントとの関連では「ETB」までがコードになるようだ。ちなみに色名はgris dolmen、フランス語で灰色を表す「グリ」(色としては知性という意味を持っているそうだ)とブルターニュ地方なんかで見られる古代巨石の「ドルメン」を組み合わせた意味らしい。日本語なら、さざれ石か?

ドアミラーの塗装。まずガソリンで簡単に脱脂して、シリコンオフスプレーで念入りに脱脂。そしてマスキング。

マスキングが終了したら、バンパープライマーを吹き付け、5分ほどしてから本塗装。都合3回ほど重ね塗りした。プロスプレーでタッチアップペイントを使う場合、ペイント1に対して2ほどのラッカーシンナーで希釈しておかないと、キリフキ式スプレーは吸い上げてくれない。ハンドピースを使う場合も、同様の希釈率で使ったほうがいい。

助手席側のオリジナルを参考にしたら、オリジナルはクリヤーを吹いてあるみたいだったので、さらにクリヤーをかける。素地がザラついたものだったので、クリヤーを吹いても表面はツルツルテカテカにはならない。これもオリジナルと同じ。乾いて、完成。

こんどは、リヤバンパー。最初ぶつけたときはマッチ箱ほどだったハガレは、約3カ月の間にこんなに拡大してしまった。ワイヤーブラシを使ってコソギ落とすと、さらに面積が広がり、結局はタバコ2箱ほどにまでなってしまったのだ。

バンパーパテを薄く盛って、塗装と素地の段差を消す。パテは主剤と硬化剤の2液式。硬化しても、ポリパテのようにカチカチにはならない。多少柔軟性を保って、バンパーとの密着や変形、割れを防いでいるようだ。

下地処理が終了したら、下地色としてホワイトを軽くスプレー。この段階で、実は多少の段差やパテムラが発覚してしまったのだが、時間がないので、ムリを承知で進行。

本塗り3回目。やはり色合わせの不備がマダラになって目立つ。ま。次の機会にきちんとね・・・の世界。クリヤーを吹く頃にはあたりは薄暗くなってきた。100V200Wのレフ電球を塗装部分に当てて強制乾燥。最後に#1000番の耐水ペーパーとコンパウンドで、ムラ消しとつや出しをして終了。

 


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