2000.6.3

室内の大洪水を解決する

 前兆は、ウインドの内側が曇ることだった。梅雨の雨降りの中を走行していて自然にウインドが曇るように、晴れていても曇る。それがずっと続いていた。高速で走っても、低速で走っても曇る。曇り止めとして有効な手段であるクーラーオンにしても曇る。曇りは必ずウインドの下1/3のあたりが、幅いっぱい。もうひとつの曇り止めの手段である、エアアウトレットにデフォッガーを選択すると、さらに曇る。デフォッガーから湯気を吹いているかのようだった。時期的には5月の月末くらいからこの現象は始まっていたような気がする。デフォッガーから湯気を噴いているかのようでもあった。6月に入って、さらにフェイスレベルのアウトレットから、本当に湯気(というか水蒸気)が吹き出すようになってきた。最初は、ヒーターコアのどこかにクラックが入っていて、そこからクーラントが吹き出しているのかと考えたが、あのクーラント独特の甘い匂いはしないし、蒸気は熱くもない。

 そのうち、助手席の床がベットリと水浸しになっていることに気が付いた(フロアマットは濡れていなかったので、しばらく気が付かずにいたようだ)。コレは間違いない! クーラーのドレーンが詰まっているかホースが抜けていて、ドレーン水が車内に漏れているのだ。とはいえ、クーラーなしでは暑くて乗っていられないし・・・応急処置?として助手席のフロアマットをめっくって、床にぞーきんを敷いて水分を吸い込ませながらはしることにした。1日走ってぞーきんを絞ること3回。
 
 ドレーンはどこじゃい、とボンネットを開けてバルクヘッド付近を観察してみたら、ステアリングギアボックスの上あたりに、L字型で下に向かって生えているゴムホースが見つかった。先端は、どこにも繋がっていない。これが、ドレーンホースである。ドレーンホースは円断面で、先端は一文字につまんだようなカタチになっている。理由は、雨水などの逆流防止のためだ。結局は、その先端が固着していた。指で一文字がoになるようにつまんだら、ドバッと溜まっていた水が流れ出してきた。一文字とはいっても、完全に閉じてしまうようなことがないよう、先端には荒いギザギザの波状の加工がしてある。それでも固着してしまったのは、長いことクーラーを使わずにいて、ドレーン水流がなかったためだろう。同じような経験を、GSAのフロントウインド下のエアインレットのドレーンホースでもしている。この場合は、ドレーンの先はフェンダーの内側にあった。固着していたのを発見したきっかけは、室内のエアアウトレットから水が滝のように流れ出たことだった。

 さて、じつはドレーンの水を抜いただけでコトは納まらなかったのだ。抜けなかった水は、エアコンのコアシェルの中でも水たまりになっていて、まだ少しフロアに進入してくる。幸い夕方からは気温も下がったので、ヒーターを全開にして(もちろんウインドも全開)コアシェル内部を強制乾燥させながらしばらく走るハメになった。



小さくて見えにくいが、黄色い矢印で示した部分に、バルクヘッドに張り付くような感じでドレーンホースは取り付けられている。位置的には、ステアリングの左側ラックブーツの真上あたり。マイZXは右ハンドルだから、この位置。で、左ハンドル仕様はシンメトリックに逆側にあるであろう(実車で確認はしていない)。手は入りやすい。



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