2000.5.25(44490km)その1 (ちょっと長文)

マフラーを交換する

 2000年5月15日に、知り合いのクルマ屋で指摘されていた、抜け切っているマフラーをキャロルの畑(クルマのストックヤードを、キャロルファンはこう呼ぶ)からもぎ取ってきて交換することにした。キャロルの御大、竹内さんによれば、ZXの中古マフラーはそこそこの人気商品であるとのこと。確かに、畑に積み上げられている10台ほどのZXの半分以上はマフラーのない、子どもだけ先にいただいちゃったシシャモのような腹を見せている。ちなみに、ボディパーツ以外での一番人気はZF純正のATだそうだ。で、マフラーだけど、畑に残っているもののほとんどは、やはり中がサビ付いていて、今マイZXに付いているものと大同小異。その中で、かなりイケそうなマフラーを付けているZXを発見。イケそう、と判断した理由は、もちろんハンマーで叩いて問診してナカミがしっかりしていそうと判断したからだ。それもそのはずで、竹内さんいわく、5000km行かないうちにポンしちゃったZXなんだそうである。

 さっそく、自分で外して移植することにした。
 ZXの場合、エキパイには、エンジンから順に触媒、中間マフラー、エンドマフラーが装着されている。今回は、ヌケているエンドマフラーのみ交換。エンドマフラーとエキパイは、マフラー本体(タイコ)の直前で連結されている。再び比較してしまうが、触媒〜エンドマフラーまでスベテが長〜い1本モノのXMに比べて、何と分解がラクなことか!
 連結は、オメガ型の半円の継ぎ手金具で継ぎ目をサンドイッチ。継ぎ目はカップ型(正しいかどうかちょっと不安)になっている。金具は両側を計2本のボルトで留めていて、解体車のものはスンナリと外せたが、マイZXは、サビ付いて回らないったらありゃしない。サビの原因は、もちろん排気熱によって酸化が促進されてしまっているからだ。最悪の状況では、ボルトか金具をカナノコで切断することになる。しかし、こういうときに限って工具箱の中には入っていないものなのだ。結局、ボルトとナットにCRCをたっぷり吹き付けて待つこと30分弱。効果があったと見えて、ボルトとナットは、徐々に回り始めた。

 継ぎ手金具(クランプと呼ぶ)が外れたら、続いてマフラーを吊っているゴム(ハンガーゴム)の分解へと作業は進む。作業とはいっても3個所で吊っているゴムから、ステーの先端を抜くだけ。ドライバーでゴムを裏返すような感じでこじれば、スグに抜けた。
 さて、2台分の中古マフラーを目の前にして、ちょっと検証してみる。まず、両方を振ってみたが、4万km走ったマイZXは、巨大なマスカラを振っている、あるいは小豆を使った波の音の擬音を出しているかのように、豪快なサビた中身が遊ぶ音がする。対して、解体ものは、少し音はするものの、マイZXのよりは遥かにマシ。新品同様とはいかないものの、低騒音化にはかなり貢献してくれそうだ。5000kmでポンした直後ならば、もっとサビは少なかっただろうが、ま、仕方ないこと。どれもイッてしまうのがZXのマフラーの常なのだから、これでも十分ラッキーということにしておこう。


 マフラーの装着は、外したのとは逆の手順になる。まず、ゴムで吊して、継ぎ目を固定。基本的にはこれで完了だ。しかし、実際にはそれだけでは終わらない。というのも、継ぎ目部分は、キッチリと合わせ面を作られているワケじゃない。ほぼ、きちんと納まるが、どんなにクランプで締め付けても少しすき間が出来てしまうのだ。もちろんソコから排気は漏れる。さらに、エンドマフラーより前、中間マフラーが付くエキパイは、吊り下げるためのゴムやステーのようなパーツがない。エキパイのほぼ中間でも固定しているクルマもあるが、ZXの場合は、エンドマフラーを外すと残りのエキパイが10センチほどブラリと下がってしまうのだ。だから、継ぎ目の部分に段差ができやすいのだ。
 しかし、継ぎ目についての問題点は、あとでどうにか処理できることは、以前何台かマフラー交換した経験上知っている。後処理は、自宅に戻って後日行うことに決定。今日は、仮留め!少しばかりの排気漏れには目をつぶっておくことにした。実際、継ぎ手から漏れる排気音は、想像するよりも音量は低い。ボボボという音を想像するかもしれないが、シュワーッという風切り音に近く、エンジンの回転を上げても、車内で聞いている限りではそれほど音量は気にはならない。




手前が5000km車、奥がマイZXのマフラー。外観的には、それほどサビの量は変わらないが、手に持って振ってみると、大きな違い。

エンジン側の継ぎ目は、凸型になっている。エキパイは凹型になっていて、両方が嵌合することで排気の漏れを防いでいるのだ。どちらのマフラーもエキパイ側の下部に小さな穴。たぶん、エンジンが燃焼することで発生した水分を抜くためのものだろう。


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