2000.5.17

無粋なモールを取り払って、本来のボディラインを出してやる(けっこう長文)

 今日はけっこう空き時間ができたので自宅でZXの各部をチェックとメンテ。
 まずワックスがけから始めることに。で、水洗い後、ネンドクリーナーをかけてビックリ。ボディ右サイド、つまり運転席側は、サビた鉄粉でみるみるネンドが茶色に変身してしまうのだ。それから察するにホイールキャップに付いていたサビは、パッドのダストではなくて、パッドが限界を超えて磨耗して、シューとディスクが直接当たって削られて出た鉄粉なんじゃないかぁ! それならブレーキング時にジャダが出ても不思議じゃないわなあぁ。
 ワックスがけは、ネンド〜水垢取りというコースで終了。ハブラシを使って、ウインドモールやルーフモールのヘリ付近に溜まっていた黒い固着したワックスヨゴレも落とす。この時、ワックスを使うのがイチバン。ワックスの油分で古いを溶かして落としてしまうのだ。ついでにワックスもかかるから一挙両得になる。
 そこまで終了したところで、サイドモールをすべて引き剥がすことにした。クラブに付いているサイドモールは、日本仕様独自のもの。本国純正のモールは幅が広くボディデザインとしっくりくるモノなのに、なんで独自のモールにしたのだろう。しかし、ひどいデザインだよね。ホームセンターで売っているテーブルや家具用のコーナーモールみたい。だいたい、サイドのキャラクターラインを殺してしまっていると思う。キャラクターラインは、映り込みとしてはハイライトになるのがデザイン上の狙いのはずなのに、このモールは逆にキャラクターラインをシャドウに落としてしまっている。そのため、日本仕様の前期型クラブはヘンに丸っこくてハリのないボディに見えちゃう。それに比べてモールがないシュペールやマイナー後の後期型が、ドッシリした印象に見えるのは、モールなしでキャラクターラインがハッキリ映し出されているからなのだ。モールは、黒いブチルゴムを用いた両面テープだけでボディに付けられていた。モールの端をもって一気に引き剥がせば、簡単に外してしまうことができる。両面テープはボディ側に一部残ってしまったが、ガソリンとPP製のスクレッパーで根気よくノリを落としていけば、完全に除去できた。
 サイドラインはスッキリしたのだけれど、新たな問題点を発見。モールの付いていた部分を境にして上下でボディカラーが微妙に異なるのだ。この理由はナニ? 新車輸入時にPDIセンターでボディ下側のキズを補修したためだろうか。それとも、前のオーナーが何度も板金塗装したのだろうか。けっこう塗りの境目は見えてしまうのだが、ぶっさいくなモールよりはマシと判断して、モールなしを敢行した。
 ボディが終わったところで、次はエンジンルーム。堆積したホコリを落とすために、家庭用中性洗剤をスプレーしてから全体に水で流し洗い。ところが、コレが大失敗で、プラグをかぶらせてしまう結果に。プラグコードのダストキャップは、カザリ程度にしかなっていないらしい。プラグを4本とも抜いて、ガスの火で十分にあぶる。天日で乾かしただけじゃ、内部の水分やガソリンは完全に抜けきらないからだ。この方法、旧車で苦労したヒトには常識。
 で使われていたプラグはNGKのBCP6ES-11。6番はいいとして、ギャップ11は正しいのかぁ? 電極はけっこう丸っこくなってきているから、近いうちに交換してしまおう。プラグを戻してエンジンをかけると長いクランキングの後に、元気よくかかってテールパイプからは白いスモークが出た。昨日から放置してあったクリーナーキャブの成果だ。しかし、スモークはそれほど大量には出ない。吸気系のヨゴレは、予想以上に少なかったようだ。
 続いてクーラントを交換。元から入っていたクーラントもあまり汚れてはいなかったけど、一応ね。4カ所もあるエア抜きを済ませて。容量7.5Lに対してクーラント2Lの27パーセント混合にしておいた。方法と手順は、整備手帳どおりに行った。エア抜きは、意外に簡単だし、気泡はすぐに抜けた。
 エンジンルームで発見したゴキゲンナナメ状態は、オルタネーターベルトが少し鳴き出しているのと、タイミングベルトがホンの少しベルトカバーにスレていること、エアクリーナーがけっこう汚れている点くらい。エアクリーナーはいちども交換していないんだろうなぁ、きっと。それとエアコンのガスは微量だが、やはりコンスタントに漏れているようだ。
 さて、最後に室内。オーディオのカバーと内規循環にできない点をチェックしてみる。
 オーディオのカバーは、ステレオを引き出してからカバー内側のネジ4個を抜けば外すことができた。動きが悪かった原因は、ガイド用のピンが左右とも脱落していたため。そのうち1コは発見できたけど、もう1コは行方不明。とりあえず片方だけ元通りにガイドに差し込んで、カバーを元通り装着する。こんな簡単な固定の仕方なら、外れてしまっても当然。ナニしろタダ穴に差し込んであるだけなのだから。少しだけど、フタの開閉にスムーズさが戻る。
 エアコンの外気導入は、コントロールを「外気」「内気」のポジション切り替えを繰り返してチェック。チェック方法は、ボンネット内のフロントウインド下助手席側にある外気導入ダクトから吸い込んでいるかどうかでチェック。音と空気の流れから判断して、「内気」にしても「外気導入」のままのようだ。たぶん、ダクト内のフラップが切り替えても動いていないのだろう。エアコンコントロールパネルの内側をチェックするためには、オーディオとシフトチェンジレバーがあるセンターコンソールも分解する必要がありそう。時間がないのと、ちょっとメゲたので今後の課題として先送りすることに決めた。本格的な夏までまだ時間もあるしね。
 それと、見えにくいなぁと感じていたエアコンオン/オフのスイッチをステアリングポスト側からいちばん左端へ移動。スイッチはヘリを細いマイナスドライバーでこじれば簡単に外せる。復元は、パネルに差し込むだけだから簡単だ。最後に、同じ細いドライバーを使ってマップランプを外し、レンズ内側と電球をティッシュで簡単に清掃しておいた。

クーラントは古河薬品工業(KYK)の2リットル入り グリーン 598円

整備解説ではヒータープラグの上と書かれているエア抜きバルブは、このクルマではそこから追加ホースでブレーキリザーバータンクまで引き出されていた。

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