kuru-mandahra
[罪と罰M]


99年12月30日の懺悔

ブレーキパッド、2回目の交換

今日の歩み  79000km

3週間ほど前から、停止直前にフロントホイール付近から「ゴゴーゴ」という音が聞こえてくる。鈍い金属音に近い感じ。疑うとすれば、ホイールベアリングか、ドライブシャフトのジョイントか、タイヤか、ブレーキまわり。渋滞時の微低速からの停止では音は発生しないので、どうもブレーキ関連らしい。パッド残量警告灯は点いていないが、前回の交換から約2.5万キロだから、そろそそかも? ホイールを外してみたら案の定パッドが限界付近まで減っていたので、早速交換した。


パッドは近所の部品商から、車検証照合で取り寄せてもらった。必要だった日時は中2日。暮れも押し迫った時期としては、早い入荷だったので助かる。もちろん純正。価格は約1万7000円。パッド4枚と残量センサー4個、そして日本語版はない簡単なインストラクションがセット(箱には日本語で「ブレーキパッド」と書かれているんだけどね。

クルマをジャッキアップし、ホイールを外して、まずサイドブレーキのワイヤーを外す。外し方は、ブレーキロッドをドライブシャフト側にプライヤーで押し込みながらワイヤーのタイコを抜き取るだけ。このとき、ステアリングを右タイヤなら右、左タイヤなら左に切っておくと作業がやりやすい。タイコが外れたら、サイドブレーキのアウターをエンジン側にしごいて戻しておく(理由はのちほど)。

キャリパーに移って、まずパッドのロックピン外し。ここからの作業は、普通の片持ちシングルピストンキャリパーとほとんど同じ行程ですすむ。ロックピンは、始めに割りピンをプライヤーで抜いて、ロックピンを先の細いドライバーか、ポンチで押し出していく。

ピンを抜いてしまえば、キャリパーの外側は上部をヒンジにして引き上げが可能になる。ただし、最初に外したサイドブレーキのアウターが突っ張って、超ジャマ。しごいてエンジン側に押し込んだぶんを引き戻すようにして、抵抗を和らげるか、ワイヤーをタイコを押し込んで抜くのがいいだろう。このとき、ムリをするとワイヤーのアウターチューブがペキッと折れてしまう。折れてしまっても実用上の弊害はごくわずかだが、気分はちょっと・・・ちなみに、私の場合は、すでに割れていた。

キャリパーが引き上げられたら、パッドは簡単に手で外せるようになる。が、残量センサーのコネクターも外さないと、パッドが宙ぶらりん状態に。コネクターはギボシ式の簡単な差し込み式。

メンテナンス本などによく見る、「パッドはこれだけ減っていました」写真。もちろん左側が新品、右が摩耗した古いパッド。あと1ミリほど摩耗したところで残量警告センサーがディスクと接触する態度だ。センサーは、+の弱電流が流れ、ディスクに接触すると通電してインパネのランプを点灯するタイプ。

古いパッドを抜いたら、ここからは新しいパッド装着のための準備。準備は、パッドから出たブレーキダストの洗浄とピストンの押し戻しの2つ。ピストンはパッドが摩耗したぶん押し出されているから、キャリパーのシリンダーに押し戻しておかないと、新しいパッドが入らない。ピストンは、周囲に刻まれた4本の溝にドライバーなどを当てて時計回転に回して押し戻していく。つまりネジを巻くのと同じ要領。が、そのねじ込みのピッチは細かく、回しても回してもピストンは少ししか戻っていかない。実は、ピストン回しが、XMのパッド交換の時間のほとんどを費やすのだ。

最終的に、ピストンの溝とシリンダーの縁がツライチになるまで戻す。戻している最中にシリンダー周囲のダストブーツを破いてしまうことがあるので、CRCなどの潤滑オイルをたっぷりと吹き付けてから作業をしたほうが無難。ラチェットレンチのコマとして使える、サイコロに角が生えたような、ピストン戻しツールもある。使う機会は少ないだろうが、スピードと安全性を求める人にはお勧めだ。

ピストンを戻しきったら、最後に位置合わせ。4つの溝のうちの1組みが、キャリパーに付けられたガイド山とほぼ一直線になるようにする。パッドに付けられている位置合わせの角が溝に入るからだ。

パッドにセンサーを差し込んで、キャリパーにセット。センサーは、外側に長いほう、内側に短いほうがくる。パッドは、キャリパーに置く感じで、ピッタリとハマってくれる。

パッドが収まったら、キャリパー上部を下ろし、手で押さえ込みながらロックピンを差し込む。ロックピンは、ハンマーなどで軽く叩き込むのがいい。このとき割ピンが入る穴の位置もぴったり合わせておかなければならない。穴の向きは45度下くらいに向くように。

最後にサイドブレーキのタイコをロッドに再装着して作業は完了。サイドブレーキは自動調整式なので、少し走れば自然に適度な状態になる。それでも気になる向きは、アジャストロックナットでアソビをあらかじめ取っておいてもいいだろう。目安は、パーキングペダル3ノッチぶんで踏み応えが重くなる程度だろうか。作業が完了したら、クルマを地面に下ろしてエンジンをかけて、フットブレーキを数回踏んで踏みしろをチェック。パッド&ピストンをきちんと押し出さずに走行すると、初めの数回はブレーキが効かず怖い思いをする。

さて、前回交換した古いパッドも純正、今回も純正だったのだがメーカは異なっていた。古いパッドはベンディックス製のAte仕様、新しいパッドはシトロエマーク付きのフェロード製だった。鳴き止めプレートの素材と形状が異なっていて、フェロードのほうが少し厚い感じ。交換後少し走行した印象では、フェロードのほうがブレーキダストの発生が少ないような感じを受ける。どちらも、引きずるような鳴き音は出ない。

もうひとつ異なっていたのは、ベンディックス製は内外の区別があるが、フェロードにはないということ。違いは鳴き止めプレートの形状で確認してほしい。作業性でいけば、フェロードのほうが楽だと言える。


今日の工具

ジャッキ、プライヤー、細いドライバーかポンチ、シャフトの四角いドライバー、CRC、ハンマー、スパナ類、パーツクリーナー&ウエス類、


Photographs and produced by Chevalier Nakamura.
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