kuru-mandahra
[罪と罰M]


99年12月29日の懺悔

スピードメーターケーブルを交換する

今日の歩み  ??????km

1年近く前から切れたままだったスピードメーターケーブルを
ようやっと交換する。もちろん、切れる少し前からメーターパネル裏では、カタカタという音は聞こえていたし、時速40kmあたりからメーターの針は大きく振幅する、前兆は示していたのである。そして、走行中の突然の断線。
その直後に、メータークラスターを外して断線していることを確認して見てはいたものの、メータケーブルの交換は、かなり面倒そうだったので放っておいた。
が、そのまミレニアムを迎えるのもイヤなので、意を決して交換。作業工程が長いので、写真が多いが悪しからず・・・


メーターケーブルは、インナー&アウター、そしてグロメット用のゴムの一式、つまりAssyで出る。切れた少し後日に購入したので、価格は不明(明細書が出てきたら、報告しよう)。同じ右ハンドル用でも、初期型は形状が異なっているようだ。

メーターケーブルの車内への引き込みは、LHMタンクの左下のスカットルから入る。ハイドロ関係のパイプ、クーラーコアのエキパンへのホースなどが、周囲を取り囲んでいて、工具類のアクセスはすこぶる悪そう。

メーターケーブルの回転信号はミッションから直に取り出している、アナログ式のようだ。エンジンルームのスカットル直前で2分割になっていて、そのコネクションから車速信号は取り出されている(緑矢印)。私の場合は、メーターパネル側(赤矢印がコネクタ)が切れたようなので、メーター不動であっても車速信号はECUへちゃんと送られていた。つまり、距離計が加算されないだけで、実走行には何の影響もなし。

ケーブルの交換は、メータークラスター&ユニットの取り外しから始めることにした。まず、クラスター左右両脇のブランクキャップを細いドライバーで取り、その中に見えるネジ(赤矢印)をトルックスドライバーで抜き取る。計2個

続いて、クラスター下の部分。ここはインジケータユニットの下に端っこが全幅にわたって潜り込んでいる。そこを、これまた細いマイナスドライバーを、ちょっと無理矢理差し込んで、めくるように外へ出していく。中央付近から攻めるのがよさそうだ。

クラスターの上側は、ダッシュボードのアッパーカバーに差し込み式。少し固いが、意を決して手で引っ張ると、スルッと抜けてくれた。

メーターユニットは、合計4カ所でダッシュボードに固定されている。このネジもトルックス。

メーターユニットへの配線は、青、赤、緑の色分けされた3つの集合コネクターでユニットの下部にまとめられている。コネクターには、黒いハンドルのようなモノが付けられているが、それを引っ張っても簡単に抜けてはこない。反対に、ハンドルをコードが出ているのとは逆の方向に押し込むと、てこの原理でメーターユニットからコネクターが押し出される構造になっているのだ。そうすれば、至極簡単にコネクターは抜き出てくる。

通常ならばメーターユニットの裏側を手探りでメーターケーブルのコネクターを外すところなのだが、ワイヤーがコネクター直前で切れていたから、そんな苦労は無関係だった。ものの見事にインナーワイヤーが切れている。ワイヤーはダッシュパネルに開けられた直径5センチほどの穴を通って、裏側から抜けてでてきているようだ。

では、普通の状態ではワイヤーのコネクターはどうやって外すのか? 左の写真がコネクターのフィッティング状態、右がコネクターをフリーにした状態。外側のスリーブを動かすだけなのである。ねじ込みや固定すべき向きなどはなくクリックで位置を固定しているだけ。メーター球交換時の再フィッティングは、かなり楽そうだ。

さて、メーター側の次はスカットル側のグロメットがどうなっているかを確認しなければならない。手始めにグローブボックスを外してみることにした。グローブボックスはリッドを開けると見える天地左右4カ所のネジを外し、グローブボックスランプユニットを外すだけで浮いてくる。しかし、落とし穴だったのがロックのツメ。ツメの周囲の長方形の穴は、矢印の部分だけがツメよりも大きいサイズで、その他の部分はツメを通して抜ける大きさではない。ロックノブを引いてツメを左に寄せながらでないと、その穴を通すことができないのだ。

グローブボックスを外しても、ワイヤーは見えてこなかった。そこで、ヒューズボックスのふたも兼用しているアンダーカバー1式も外してみたが、やはり見えない。すごい徒労。位置的に言って、グローブボックスのすぐ背後のエアコンダクトの後ろアタリなのだが・・・そこで、差し込み式になっているのをいいことに、ダクトを抜いて、少し位置をずらしてみることにした。

やっとグロメットのゴムが見えた! とは言ってもホンの少し。ヒーターファンのモーターユニットとダッシュボードのアッパーカバーのウレタンなどのじゃまされて、とても手が入る状態ではない。しかし、ファンユニットもカバーも外したくないので(途方もなく時間がかかるに決まっている!)グロメットのゴムの耳の部分をプライヤーでつまんで引っ張ってみたら、少し動かせる。なんとかなりそうだ! そのままチカラをこめて引き出したら、ゴムの弾性のチカラを借りて、グロメットは引き出すことができた。

メーターケーブルは、ダッシュ中央のエアコン分配ユニットの裏側をくぐり抜けて、メーター側へ通じている。そこで、古いメーターケーブルを途中で切り、新しいメーターケーブルのコネクター部分とガムテープで連結。古いメーターケーブルをガイド役として、メーター側へ引き抜いて通すことにした。

グロメットをスカットルに通すのが、実は一苦労だった。なにしろ手がちゃんと入らないのだから、室内側からドライバーで押し込み、エンジンルーム側では2本の耳を引き出しての、悪戦苦闘なのである。格闘すること約20分。どうにか、まっすぐサマになる状態でグロメットを通すことができた。

だが、白状するとグロメットの耳の部分(赤矢印)をスカットルに通しきってははいない。そこまで時間と気力がなかったとうのが本当のところ。ニードルで、徐々につまみ出すか、あるいはあらかじめ耳のところに丈夫な糸か針金を通しておいて、ウインドのゴムをボディの通すようにして準備しておけばよかったのかもしれない。しかし、このやや不安定な状態でも、メーターの針はぶれもなく、異音も聞こえてはこない。

組み上げは、分解の逆の手順で、行えばイイ。しかし、その前に、メーター側のインナーワイヤーの先端に汎用グリスをマッチ棒の先ほどの量塗っておいた。この意味はメーター側のワイヤーの受け口(凹型になっている)とインナーワイヤーとの遊びを取り除くため。なにしろインナーワイヤーはミッションからダイレクトに回転(かなり高速だ)を伝えてきているのだ。ガタがワイヤー切れの原因になることもある。多すぎると、ワイヤーの動きがかえって損なわれるから注意したい。

最後になるが、今回の作業は、マニュアル類を一切見ないで、行った。本来のマニュアルでは、他の交換方法を記載しているかもしれない。いずれにしても、メーター交換は、お金に余裕があれば専門のメカニックに依頼するほうが得策だろう。私のように無駄足を踏まないとしても、作業時間は1時間以上は覚悟しておきたい。


今日の工具

トルックス プラスドライバー マイナスドライバープライヤー ワイヤーカッター ガムテープ  ウエス&クリーナー類


Photographs and produced by Chevalier Nakamura.
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