kuru-mandahra
[罪と罰M]


98年8月14日の懺悔

PWスイッチを調整してみる

今日の歩み  74800km

最近のヨーロッパ車らしく、パワーウインドにワンタッチ昇降スイッチが設けられているXM。ところが、最近どうもスイッチの反応が悪く、いくら押してもウインドはピクリとも動かない。さらに、今日は押してもいないのに(正確には押してから1分後)突然見えない力によって自主的に動き出す始末。そこで、接触がおかしいのかも、と疑って分解掃除してみることにした。


運転席にだけ効くワンタッチスイッチ。フツーのシーソースイッチのさらに外側に位置する赤い矢印のがそう。押し込んで手を離せば全開or全閉してくれるはずなのだが、スイッチングの感触も少なく、かなり押し込まないとウインドは動いてくれない。ついに今日は反応もなし。

内張りを剥がすことなくスイッチを取り出せないかと考察したけっか発見した方法がこれ。まずアームレストのスイッチ真下にある継ぎ目を5ミリほどマイナスドライバーでこじて隙間を作る。その奥に手前側(左シートのウインド用)のスイッチのコネクターが見えるので、その下側を別のマイナスドライバーで上に押し上げるようにする。そうするとスイッチ本体が浮き上がってくるので、指でつまみ出せばOK。手前側を抜けば、運転席側スイッチは上から手で抜き出せる。

抜き出したスイッチ本体。コネクターの6ピンは差し込み式だから簡単に抜けた。スイッチのパーツはほとんどがスナップ式で組み立てられていたので、小さなマイナスドライバーでていねいに分解。

分解は内側のフツーのスイッチ部分から順番に。右の写真の段階まで行えば、かなりの部分が見えるようになる。

スイッチの構造は、シーソーレバーの下側の足(赤い矢印)が本体ケースに付けられた端子を押し込んで導通する仕組み。左の写真で4つ並んだ四角いものが導通用端子で、それをレバーが押し込む。ステンレス端子の両端は照明用のムギ球。端子はステンレス製でレバーを中立に押し返すバネの役目もしている。ここまでばらして端子が剥きだしの状態でコネクターに再接続して導通チェック。接触は問題がなかった。ということはシーソーの押し込み量が不足しているということ。赤矢印の足をライターの火であぶって膨張させるなどしてカサ増しするか、シーソーの押し込み過ぎを防止するストッパーになる部分(緑矢印)を少し削り落とせばよさそう。と考えたが、近くにライターがないので、ステンレス端子の下に隠れている、スイッチングの相手になる端子を、細いマイナスドライバーを隙間から差し込んで、ちょっと持ち上げてストロークを縮めることにした。相手側の端子はリン青銅。当分凹んでしまうことはなさそう。スイッチを組み立てて再々接続してみたら、この方法で成功!

ついでにフツーのスイッチ本体もバラして中を見てみる。これもシーソー式に端子を押す構造だが、初めにバラしたスイッチが垂直に端子を動作するのに対して、こちらは90度方向に支点(白いパーツ)を介して、端子(銅色)を上に引き上げるようにして動かす。その相手は赤い矢印のもの。雨水などの水滴が入り込みやすいスイッチとしては、こちらのほうが耐水性は高そうだ。緑色のパーツは照明用のムギ球のケース。これらのムギ球は秋葉原電気街で買える足つき12V球が、切れたときのスペアとして流用できそう。銅の端子だから、緑青がコワイので一応CRCを吹いて、接触部を磨いておいた。ちなみに、CRCなどのオイルスプレーは、あくまで”接点洗浄剤”であって”接点復活剤”ではない。吹き付けただけでは接点の酸化皮膜などを完全に除去はできないので、必ずウエスやサンドペーパー、ワイヤブラシなどで拭き取る必要がある・・・念のための雑学でした。


今日の工具

マイナスドライバー、時計ドライバー


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